ダニを減らす対策
アレルゲンの量を減らすことが治療への第一歩です
アレルギー性鼻炎の治療では、原因となるアレルゲン(抗原)の量を減らすことが重要です。掃除や洗濯をこまめに行い、できるだけダニ等を吸入しないように心掛けましょう。
室内ダニの除去方法
- 掃除機がけは、吸引部をゆっくりと動かし、1畳当たり30秒以上の時間をかけ、週に2回以上行う。
- 布張りのソファー、カーペット、畳はできるだけやめる。
- ベッドのマット、ふとん、枕にダニを通さないカバーをかける。
- ふとんは週に2回以上干す。困難なときは室内干しやふとん乾燥機で、ふとんの湿気を減らす。週に1回以上、掃除機をかける。
- 部屋の湿度を45%以下、室温を20~25℃に保つよう努力する。
- フローリングなどのホコリの立ちやすい場所は、拭き掃除の後に掃除機をかける。
- シーツ、ふとんカバーは週に1回以上洗濯する。
- 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会 鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン ―通年性鼻炎と花粉症― 2020年版(改訂第9版), 2020, p. 42, ライフ・サイエンス, 東京
ダニの除去に関するQ&A
市販の防ダニ製品は効果がありますか?
優れた品質の防ダニシーツはある程度効果が期待できます。一方、殺ダニ剤は吸血性のダニには有効なものが多くありますが、室内ダニには効力が乏しいか不明なものが多いといわれています。たとえ、殺ダニ剤によりダニが死滅したとしても、アレルゲンの活性は長く残ります。また、人が常時生活する場所での殺ダニ剤の長期使用による人への影響も心配されることなどから、アレルギー性疾患に対する殺ダニ剤の使用は推奨されていません。
ふとんを日光に干せばダニはいなくなりますか?
アレルギーの原因となるチリダニは、最低でも55℃以上の高温にならないと死滅しません。そのため、日光干しだけでダニを駆除することはできませんが、湿度を下げてダニの繁殖を抑えるという点では有効です。また、ふとんを外に干す場合は、花粉の付着にも気をつけましょう。
ふとんは干したときに叩いた方がいいのでしょうか?
ダニは死骸もアレルゲンになります。ふとんを叩くと、ダニの死骸が粉々になり、余計にアレルゲンを増やすことにもなるので逆効果です。
ダニアレルギーでもペットを飼ってもいいですか?
室内ペット(特に猫、その他、犬、ウサギ、ハムスター等)の飼育は、ダニアレルゲンの増加やペットアレルゲンの原因になることがあるため、できれば避けた方がよいといわれています。飼う場合には、屋外で飼い、寝室には入れない、ペットの飼育環境を清潔に保つ、床をカーペットではなくフローリングにするなど、できるだけアレルゲンを回避できる環境を整えましょう。また、部屋の通気をよくして掃除をこまめに行うことも大切です。
- 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会 鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン ―通年性鼻炎と花粉症― 2020年版(改訂第9版), 2020, p. 42, ライフ・サイエンス, 東京
- 日本アレルギー学会:アレルゲン免疫療法の手引き, 2022, p. 8, 協和企画, 東京
- 高岡正敏:ダニ病学 暮らしのなかのダニ問題, 2013, pp. 184-186, 東海大学出版会, 神奈川
- 島野智之:ダニ・マニア, 2012, pp. 44-45, 八坂書房, 東京
- 鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:2021年版 アレルギー性鼻炎ガイド, 2021, p. 11, ライフ・サイエンス, 東京